How We Lead Matters


Marilyn Carlson Nelson

著者はRadissonホテルなどを経営するCarlsonグループの前CEOですが、本書はビジネス書というよりエッセイ集でした。
全部で60のショートエッセイをまとめた作りになっており、仕事におけるリーダーシップから家族の話まで幅広い内容です。
中でも強い印象を受けたのが、あとがきで紹介されていた娘Julietのスピーチ”The Journey Not the Arrival Matters”でした。Julietは大学に入って間もなく交通事故で亡くなってしまったのですが、その数ヶ月前に行ったスピーチの概要というか雰囲気は以下の通りです。
「最終目的地でなく、旅そのものに意味がある。人生は終わりなき旅のようなもの。目標を定めてそれに向かってひたすら進んでいくのは素晴らしいが、誰もが必ずしも目標を見つけられるとは限らない。目的を持って生きるべきだとは思うけれども、この一日を大切に生きることも重要ではないだろうか。また明日が来るさ。でも、本当に必ず明日が来ると常に言い切れる?」
まだ11月でこの一年を振り返るには早いかもしれませんが、今年は本当に色々なことがあった年でした。年始早々中東で次々政権が崩壊したかと思うと3月の東日本大震災。数百年から千年に一度の震災と言われるものの、津波の犠牲になった方々にとっては3月11日が最後の日となり、明日が来ることはありませんでした。
もしも一年前にこの本を読んでいたら、これほど印象には残らなかったのかも知れません。
かなりの高確率で明日が来るのは間違いありませんが、明日が来ないこともあるということを頭の片隅に入れておきたいと思います。