The Responsibility Revolution


Jeffrey Hollender
地球温暖化に代表される環境問題、またWeb2.0以降の企業と消費者の関係の変化により、従来の大量生産/消費をモデルとした企業のあり方は大きな転換期を迎えようとしています。この本はこれからの時代のビジネスの在り方を、Novo Nordisk、Linden Lab、Nike、Patagonia、Timberland などの企業をモデルに考えたものです。
これからの時代の企業に求められるものとして、以下の6項目が挙げられます。
1.ミッション
2.透明性
3.コミュニティ
4.消費者視点の製品開発
5.有言実行
6.ビジョンの共有
本書では様々な実例が紹介されていますが、例えばTimberlandは製品であるブーツの製造により排出されるCO2をカウントする際、突き詰めると牛革のもととなる牛のゲップまで含めるべきとの結論に至りました。Timberlandはブーツの会社か、牛の会社なのか?この疑問に対し明確に”牛の会社”であると言い切る姿勢が本気度を表しています。最終的に、牛1頭の価値の7%相当が牛革の価値であることから、Timberlandの製品に由来するCO2発生量も牛のゲップの7%相当と試算しています。
他にも生産量を減らしてでも有機栽培の綿の使用にこだわったPatagoniaなど、主流ではありませんでしたが一貫して資源/環境/ビジネスの持続性に取り組んできた企業は少なからず存在します。
失われた10年以降デフレから抜け切れずにいる日本ですが、目先の家計簿重視でファーストフード/ファーストファッションに頼る消費行動が果たして正しいのか?疑問を投げかける本です。
主に地方では有機栽培の農畜産物やこだわりの日本酒など、環境とビジネスの持続を考える動きが出てきています。よい物を良い方法で適量生産し、消費者もそれを支える、そのような方向転換が必要なのではないでしょうか?