Griftopia


Matt Taibbi
EN(http://bizbookrev.wordpress.com/2011/07/07/griftopia/)
Alan Greenspan時代のFRBからリーマンショックまで、アメリカのバブルがどのように作られては弾け、誰が得をしたのかを描いた本。
1990年代初めには金利を大幅に下げて、ベビーブーマーの資産を株式市場へ誘導(株式バブル)。
2000年にはデリバティブ市場規制緩和によりサブプライムローンの基礎を作る(不動産バブル)。
投機抑制のため1936年に制定されたCommodity Exchange Actへの例外認定による原油先物市場高騰(コモディティバブル)。
バブルの度にWall Streetは利益を手にした訳ですが、リーマンショックではリーマン破綻によりライバルが姿を消し、またAIG公的資金注入で得をしたのがGoldman SachsGoldman Sachsの勝因は資産運用が上手いというよりは、政治との強い結びつきの結果であるようです。
株式バブル崩壊で貯蓄は底を尽き、不動産バブル崩壊により借金で手に入れたシャツを身ぐるみ剥がされた上に2倍の深さの穴に陥ったような状況にあるアメリカですが、この頃では資金調達のためペンシルベニアの有料道路やシカゴのパーキングメーターなどのインフラが売りに出ているようです。
たまたまこのブログを書いていると、日経に”原油先物バブル封じに政治圧力か?”との記事が↓。
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNASDJ1000E_10052011000000
ついに政治が本腰を入れ始めたということでしょうか?
ちなみに、日本では投資銀行をハゲタカ外資などと呼びますが、この本のサブタイトルではVampire Squidsとなっています。吸血イカって・・・。