The Master Switch


Tim Wu
EN(http://bizbookrev.wordpress.com/2011/07/24/the-master-switch/)
電話、ラジオ、映画、テレビそしてインターネットと、アメリカにおける情報通信の変遷を寡占化へのサイクルという視点から描いた本。
電話はBellの子会社AT&Tにより寡占化されましたが、当初は小規模な事業者が林立し、都市郊外の農村では針金や有刺鉄線で近所の農家を繋いで電話ネットワークが出来ていたようです。この電話は会話にとどまらず、週末にはカントリーの演奏を電話を通じて流すなど、ラジオのような役割もしていたようです。1904年頃のことです。
ラジオはやはり小規模局が乱立していました。1921年には5局だったのが、1923年には525局、1924年末には2百万台以上の放送可能ラジオが売れています。自由の国アメリカ、毎日20:00から一時間だけジャズを流すといった放送局が多数あったようです。
映画は当初カルテルが出来上がっておりヨーロッパからの輸入は制限されていたため、監視の目が行き届かない西へ流れていきました。ユダヤ系他移民により映画の製作も行われ、ハリウッドの基礎を築きました。その後ハリウッドが映画の製作から配給まで牛耳るようになり、映画館もチェーン化して寡占化が進んでいます。
テレビはケーブルテレビの台頭、インターネットはアップルのi-phoneとGoogleまででFacebookには触れられていませんが、Facebookソーシャルネットワーク寡占化の良い例ではないかと思います。
通信機器、技術は進歩しているものの、サイクルと言う点では100年前からあまり変わっていないようです。この先どんな寡占化サイクルが出現するのか興味深いところです。