The Advantage


Patrick Lencioni

The Five Dysfunctions of a Team(http://d.hatena.ne.jp/fbrev/20101112)等で知られるコンサルタント、Patrick LencioniによるOrganizational health、つまりは組織の健全性についての本。健全な組織への道のりを以下の4つに分けて述べています。
①まとまりのあるリーダー層:まとまりのあるというのは馴れ合いでは決してなく、時には意見の衝突もあって当然ですが、常に衝突してばかりいるのも別なところに問題があると考えられ、中間ぐらいがちょうどいいとのことです。またリーダーのグループが大き過ぎるとまとまりがつかないので、一般的に3〜10人ぐらいが望ましいようです。
②明確さ:組織の存在意義、戦略から目標に至るまで、分かりやすいものであるべきで、また自由に質問できる雰囲気であることが大切。ミッションステートメントが壁に掲示されている会社は多いと思いますが、あなたの会社のミッションステートメントの意味するところは明確ですか?76ページに例としてDunder Mifflin社のミッションステートメントが載っていますが、社名を他の会社に置き換えても違和感のない文面に思えます。で、このDunder Mifflin社はどのような会社かというとコメディーのThe Officeに出てくるものです。
③オーバーコミュニケーション:コミュニケーションにし過ぎはないということで、従業員はリーダーが同じことを7回ぐらい繰り返し言ってやっと信じる傾向にあるようです。洋の東西を問わず口を酸っぱくして発信し続けることが重要です。
④健全性を持続するための強化法:リーダーが常にコミュニケーションするのに加えて、企業の価値観にあった人材を採用する、価値に合わなくなってきた人材は解雇するなどの方法でのメンテナンスも必要になります。
東日本大震災時の原発事故対応や東証一部上場企業の不祥事に代表されるように、組織の健全性が疑われる事態が相次いでいますが、自分の会社あるいは身の回りの組織は健全ですか?実際のところはOrganizational healthの前に、従業員のメンタルヘルスの方がまずは大きな問題かもしれませんが…。