How an Economy Grows and Why It Crashes


Peter D. Schiff and Andrew J. Schiff
米国経済の過去・現在・近未来を、漁による自給自足の島が経済成長しやがて没落するストーリーで例えた本です。
ストーリーはまず島に暮らす3人の生活から始まります。素手で魚を取るため一人一匹がやっとの毎日、やがて一人が網を発明し生産性が格段にアップ、経済成長が始まります。その過程で物々交換、そして通貨が生まれ、外国との貿易により製造業からサービス業へ産業構造の変化が起こり、国の借金が増え、デフォルトかインフレの選択を迫られると言うものです。
特にITバブル以降急速に膨らむ米国の借金に懸念を示し、有権者に真実を伝えられるリーダーが必要で、有権者も経済再生のために負担を受け入れる強さが必要と説いています。まさに改革なくして再生なし、サミュエル・ライダーのこの本ライオンは眠れないと共に少し前の日本を思い出しました。
この本はもともとIrwin A. SchiffのHow an Economy Grows and Why It Doesn'tをベースにしたものです。この一世紀で科学・技術は自動車の発明から人類を月に送るまでに進歩したにもかかわらず、経済学だけはいまだにケインズがもてはやされている…。それは多分に政治にとって都合が良いからかもしれません。