The Great Reset


Richard Florida
過去の不況/恐慌からどのように経済が復興したかをたどりながら、リーマンショック以降の不況から脱するには何が必要かについて考える本。
不況/恐慌から経済が回復したのは単に景気が上向いただけではなく社会構造に大きな変化が起こっていたことから、この変化を”リセット”と呼んでいます。
1870年代のリセットはイギリスを中心とした第一次産業革命によるバブル崩壊でその後都市の人口増加
1930年代のリセットは株式市場崩壊の後、ハイウェイ建設と自動車の普及により特に北米では都市近郊部の人口増加
2008年以降のリセットは北米住宅バブル崩壊に端を発し、今後は”megaregions”と呼ばれる大都市群、例えばボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアワシントンD.C.などに人口が集まりつつ、都市間を高速鉄道で結ぶことにより自動車通勤で無駄になっているガソリン及び時間が生産性アップに寄与すると説いています。また、個人のクリエイティブな才能を結び付けて価値を生み出していく仕組み、そして脱大量生産時代の新しい教育システムの開発が急務とのことです。
ということで、日本でも最近の若者が車を買わないのは興味が無くなったとか買う余裕が無いというのも表向き理由の一部でしょうが、根本はリセットが始まっていると言えそうです。脱車社会の始まり、既に日本には高速鉄道は新幹線があるので、あと必要なのは個人のクリエイティビティを接続する仕組みとこれからの時代の教育システムでしょうか。
ところで、既に東京など大都市圏では電車通勤がメジャーな日本、あなたの通勤時間は生産性アップに貢献していますか?キンドル、i-phone、i-padなどによりすでに生産性がアップが始まっているかもしれませんね。