社会

Michael J. Sandel“これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) ”でおなじみのサンデル教授の新作です。早くも和訳版が“それをお金で買いますか”というタイトルで出ています。 資本主義経済で市場に任せるまま、気が付いたら何でもか…

GROUPED

Paul Adams何かと話題のFacebook。そこで働く著者によるソーシャルウェブについての本。 今日ウェブで起こっていることは、15世紀グーテンベルクによる印刷の発明以来の4つの大きな変化です。 ①アクセス可能な情報量の増大 ②コンテンツ中心→人中心へのウェブ…

Doing More With Less

Bruce Piasecki経営コンサルティング会社AHC Group社長の著者による、frugality(倹約、自制)についての本。アメリカ版二宮金治郎か?と思いきや、カバーに著者の写真がありますが大きなおなかが目立っており、ご本人の食欲に関する自制が足りないのではと思…

The Social Animal

David Brooks主人公ハロルドとエリカ夫妻の人生をベースに社会との関わりという視点で人生を描いた本。ストーリーはハロルド、エリカの両親から始まり、成長の過程に合わせて以下のような事例が紹介されています。 ・真似をして遊ぶ頻度が高いほど早くしゃべ…

Our Iceberg Is Melting

John Kotter and Holger Rathgeber今住んでいる氷山が永遠に安全と疑わないペンギン達が、いつか来る危機に気付き定期的に氷山を移り住むようになる寓話ですが、2012年3月の今読むとこの本の意味するところの奥深さが感じられる気がします。 他のペンギン達…

Leaders Make the Future

Bob JohansenIFTF(Institute for the Future)フェローによる、変化の激しい世界のためのリーダーシップスキルについての本。 これからの世界はVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity and Ambiguity)と呼ばれ、リーダーには新しいスキルが求められます。…

The Black Swan

Nassim Nicholas Talebこの本を読まなくともブラックスワンという言葉を目にした方は多いと思います。特に震災後、原発事故や急激な円高による製造業の収益圧迫など、ブラックスワンと例えられるかもしれません。 厳密には、東北地方の地震は数百〜千年に一…

HOW TO MARKET TO PEOPLE NOT LIKE YOU

Kelly McDonald売上げを伸ばすには①既存の客層に大量に買ってもらう、②既存の客層に頻繁に買ってもらう、それでも駄目なら③新しい客層を開拓する、ということになります。この本はタイトルからお察しの通り、新しい客層の開拓についてです。 では、どのよう…

Love Leadership

John Hope Bryant愛は地球を救う的な内容と思いきや、ビジネスの世界から逸脱することなくリーダーシップを論じています。 Love Leadershipは下記の5つの法則から成っています。 ・苦難がリーダーを育てる ・恐怖心を利用したリーダーシップは続かない ・Lov…

Brains on Fire

Robbin Phillips, Greg Cordell, Geno Church and Spike Jones技術をつぎ込みさえすれば売れるものが作れるのか?どうもそうではないように思える今の時代のマーケティングについての本。 実はTVコマーシャルのROIは1〜4%に過ぎないようです。不特定多数に…

The 2020 Workplace

Jeanne C. Meister & Karie Willyerdタイトルだけ見ると2020年には火星のオフィスとスカイプで社内会議のようなSF的雰囲気が漂っていますが、まじめに約10年後のオフィスを描いています。 米国の人口動態から見ると、長寿化により、Traditionalist、Baby Boo…

The Rational Optimist②

Matt Ridley前回からの続きです。 第7章 1700年代以降 奴隷解放 エネルギーは人力→動物→水力→火力→風力→化石燃料と移り変わってきました。奴隷が牛などの動物に置き換えられた理由は“使いやすさ”にあったようです。食事は干草を与えていれば良く、文句も言わ…

The Rational Optimist①

Matt Ridley人類誕生以来、分業化とトレードにより社会がどのように発展し、また困難を克服してきたかを描いた本。そもそもページ数自体が多いのですが、内容がかなり濃く面白いため、2回に分けて紹介します。 第1章 現代は良い時代 例えば、1時間の照明を得…

Super Freakonomics

Steven D. Levitt & Stephen J. Dubnerタイトルにsuperが付いただけあって、常識外れの度合いがさらにパワーアップしています。 飲酒運転より飲酒後歩いて帰る方が死ぬ確率が高い、1900年のニューヨーカーは現代の自動車事故より2倍の確率で馬車に轢かれてい…

Transforming Power

Judy Rebick今回はビジネス書からやや脱線して、トロント在住の政治活動家の本です。 長年左翼として政治活動をしてきた著者がWorld Social Forum参加のため訪れたラテンアメリカで出会った新たな変化への兆しを中心に書かれています。 米国では共和党だろう…

FREAKONOMICS

Steven D. Levitt & Stephen J. Dubner書店で何度か見かけたものの今まで手に取ることなく、ようやくペーパーバック版を読んで見ました。 すると、いきなり1章のタイトルは「教師と力士の共通点とは?」。共通テストの点数を上げるため生徒の答案に手を加える…

The Tipping Point

Malcolm Gladwell モノ、アイデア、感染症などがブレイクするかどうかの分岐点、それがTipping Pointです。 1987年の北米でのFAXの爆発的な普及、スケーターシューズAirwalkのブレイクから1980年代に起きたミクロネシアでの10代の連続自殺など様々な実例が存…

33 Million People in the Room

Juliette Powell ジャーナリスト/ソーシャルメディア専門家でGathering Think Tankを立ち上げた著者による、ソーシャルメディアとネットワークの広がりの可能性についての本。タイトルはReedの法則「25人のグループが可能なネットワークは33百万」から来てい…

The Great Reset

Richard Florida 過去の不況/恐慌からどのように経済が復興したかをたどりながら、リーマンショック以降の不況から脱するには何が必要かについて考える本。 不況/恐慌から経済が回復したのは単に景気が上向いただけではなく社会構造に大きな変化が起こってい…

Cognitive Surplus

Clay Shirkyインターネットによって世界中の人類が繋がった結果、個人の余暇の集合体という新たな”資源”が誕生しました。1950年代にテレビが登場してから、先進国での人類の3大活動は労働、睡眠、そしてテレビとなり社会に大きな影響を与えてきました。その…

Ripped

Greg Kot インターネットの普及と共に、Napsterが爆発的に広まった背景を描きながら、従来の音楽業界とこれからについて解説しています。 CDからNapster等による”違法”ダウンロードへの急速な流れは、それまでの音楽業界のあり方に対する反動とも言えます。…

Unscientific America

Chris Mooney & Sheril Kirshenbaum 理系離れはアメリカでも同じようで、インターネット普及による新聞離れで科学面は消滅し、宇宙の始まりはビッグバンと答えられるアメリカ人は40%に満たないとのこと。今やアメリカ人の科学に関する情報源はすっかりイン…

The Pentagon's New Map(戦争はなぜ必要か)

Thomas P. M. Barnett(トマス・バーネット) 冷戦後の戦略とはどうあるべきか?米国対ソ連のような大国間の対立というシンプルな構図が描けなくなった21世紀の世界についての本です。 9-11に代表されるテロとの戦いは、捉えどころの無い敵を相手にするまさ…

Failed States(破綻するアメリカ 壊れゆく世界)

Noam Chomsky(ノーム・チョムスキー) 自由、平等、民主主義の国アメリカが国内外で行っていることとは?開放あるいは民主化という名の下のイラクへの侵略であったり、大企業優遇の政治だったりします。必要とあらば他国の体制まで覆してしまう力を持つ帝国…

Tribes

Seth Godin 再びSeth Godin登場です。新時代のマーケットにおけるリーダーシップの本とでも表現すればいいのでしょうか。 消費者は多様化し、従来の大量生産では物が売れなくなり、パラダイムシフトを迎えています。では、このような時代にどうやって物を売…

Japan Unbound

John Nathan 日本はどこへ向かおうとしているのか?について、日本通アメリカ人の著者が書いた本です。 教育現場や家族の崩壊、日産自動車に代表される日本企業の変化、小林よしのり氏や石原東京都知事をはじめとするネオナショナリズムの台頭など現在の状況…

Connected

Nicholas A. Christakis, MD, PhD and James H. Fowler, PhDタイトルからお察しのとおり、人のネットワークに関するものです。人類は、友達の友達から知らず知らずのうちに影響を受けているようです。「友達の友達は皆友達だ」は正しいことを科学的に証明し…