The Pentagon's New Map(戦争はなぜ必要か)


Thomas P. M. Barnett(トマス・バーネット)
冷戦後の戦略とはどうあるべきか?米国対ソ連のような大国間の対立というシンプルな構図が描けなくなった21世紀の世界についての本です。
9-11に代表されるテロとの戦いは、捉えどころの無い敵を相手にするまさにchaosとの戦いとも見て取れますが、突き詰めて行くとこれはグローバル化の中心国家対グローバル化に乗り遅れた国家群という構図になります。このグローバル化に乗り遅れた国家群に焦点を当てて、グローバル化の枠に取り込んで行くことが、21世紀の米国の取るべき戦略と説いています。その内容は、10のステップに分かれています。
イラクの再構築
金正日政権の交代と半島統一
③イランにロシアで言うゴルバチョフ的人物が現れ革命を起こす
アメリカ大陸にFTA(Free Trade Area)
天然ガスや水素へのシフトにより原油依存度が低下し中東の位置づけが変化
⑥中国が米国の最大の外交相手に
NATOのアジア版が発足
⑧アジア版NATOによりグローバル化国家群による安全保障同盟の輪が広がり、中央アジアやアフリカにまで影響を及ぼす
アメリカ合衆国はさらに州を増やす
グローバル化国家群に最後に加わるのはアフリカ
2004年に書かれた本ですが、その後6年が経過した現在を見る限り、まだまだ時間がかかりそうです。