The Rational Optimist②


Matt Ridley

前回からの続きです。
第7章 1700年代以降 奴隷解放
エネルギーは人力→動物→水力→火力→風力→化石燃料と移り変わってきました。奴隷が牛などの動物に置き換えられた理由は“使いやすさ”にあったようです。食事は干草を与えていれば良く、文句も言わず力は強いと言うことです。

第8章 1800年代以降 “発明”の発明
イノベーションは知識の共有により生まれます。ヘンリー フォードは何かを発明したのではなく、それまで知られていた車の製造法をもとに車を組み立てたのでした。

第9章 1900年代以降 悲観論
世の中の変化は現在の延長線上ではなく、もっとダイナミックに変化します。悲観論者は過去と現状、未来は同一線上にあるとして論じているところに誤りがあります。
1996年の「失われた未来」では精子数が減少しているとのことでしたがこれもかなり誇張されていました。1962年の「沈黙の春」ではDDTにより人類の健康が脅かされるはずでしたが、1945年以降生まれの世代は平均寿命の記録を更新しています。
1986年のチェルノブイリの事故でも50万人が癌で亡くなるとされましたが、実際は4千人程度と予想され、原発に由来しない癌での死者10万に比べ低い数値となっています。

第10章 2010年代以降 二大悲観論(アフリカと温暖化)
アフリカは常に貧困に苦しんでいるとされがちですが、ボツワナのように過去30年のGDP成長率が日本、中国、韓国、アメリカを上回る国もあります。
温暖化にしても気候というのは過去を見ても大きく動いており、安定した気候こそが幻想です。

第11章 2100年代以降 経済の楽観論
生物が交配/交雑により進化してきたように、知識の交換によりハイブリッドが生まれ、専門化が進んでいきます。
インターネットにより世界中の知識が自由に交換できる現在、イノベーションの速度も加速していきます。
知識/情報のやりとりの中で様々なイノベーションが生まれ、現時点では想像出来ない発明が世界を救うというのは歴史的に起こっており、今後も十分起こり得ます。