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Paul Adams

何かと話題のFacebook。そこで働く著者によるソーシャルウェブについての本。
今日ウェブで起こっていることは、15世紀グーテンベルクによる印刷の発明以来の4つの大きな変化です。
①アクセス可能な情報量の増大
②コンテンツ中心→人中心へのウェブの構造変化
③社会における情報伝達のマッピングが可能に
④決定というプロセスについての理解
ソーシャルネットワークとは映画のタイトルにもなりましたが、なにもFacebookにより始まったものではなく、人類は10,000年以上前からソーシャルネットワークを築いてきました。インターネットという技術と結びついてそのネットワークが進化しているところです。
当初はコンテンツ中心だったインターネットが人と人との結びつきを中心とするようになってきています。
そもそも人はなぜコミュニケーションするのか?コミュニケーションすることでサバイバルしやすくなる、あるいは生活が楽になるためだと思われます。コミュニケーションの80%は身近な5人程度に集中しており、そこから15人→50人→150人とコミュニケーションの輪が広がるにつれ接触頻度は低くなっていきます。また、この輪の中の人々は通常4〜6くらいのグループに分けることができます(趣味、学校、地域等)。The Tipping Point(http://d.hatena.ne.jp/fbrev/20101202)では顔が広く大きな影響力をもつ個人が存在するとしていましたが、そのような個人の存在はかなり稀であるというのがFacebook他から導き出された結論です。結局我々が影響を受けるのは自分に近いところからであるようです。
また、思考について見てみると、やはり人間の思考は理論的ではなく感情に影響されることが多いようです。無意識な思考は意識的な思考の20万倍の情報処理能力があるとのことです。
情報過多の現代、これから鍛えるべきは無意識の思考。ヨガ、座禅、瞑想から無の境地へ。Facebookの株価に一喜一憂しているようではいかんぜよ。