Our Iceberg Is Melting


John Kotter and Holger Rathgeber

今住んでいる氷山が永遠に安全と疑わないペンギン達が、いつか来る危機に気付き定期的に氷山を移り住むようになる寓話ですが、2012年3月の今読むとこの本の意味するところの奥深さが感じられる気がします。
他のペンギン達が平和な暮らしを享受する中、Fredは一人将来への不安を抱いていました。もともと観察熱心な性格からいろいろと調べてみると、この氷山には水中からしか分からない割れ目があり、徐々に大きくなっていること、そこにたまった水が冬になり一気に凍結すると氷山自体が割れる可能性があることが分かりました。でも一人ではオオカミ少年に扱われるのが関の山、そこでいろいろ策を考えながら一人また一人巻き込むことで大きな動きに発展していきます。
いつ割れるかもしれない氷山の上でのんきに暮らしているペンギンの群れは、バブル崩壊以降根本的な経済改革を先延ばしにし、年金制度の崩壊が分かっていながらこれまた先延ばし、地震国でありながら54基も原発を作り、グローバル化を目の当たりにしながら海外へ出るタイミングを逸してきた、まさに日本の事ではないのかーーーーーーっ!
一見易しそうに見えて、結構深い作品でありました。