Love Leadership


John Hope Bryant

愛は地球を救う的な内容と思いきや、ビジネスの世界から逸脱することなくリーダーシップを論じています。
Love Leadershipは下記の5つの法則から成っています。
・苦難がリーダーを育てる
・恐怖心を利用したリーダーシップは続かない
・Loveはビジネス成功の核である
・弱みは力
・与えることは得ること
著者は一時ホームレスとなり駐車場に停めた車で生活していた状態からビジネスで成功したものの、1992年のロスアンジェルス暴動をきっかけにアメリカで最初の社会投資銀行NPO Operation HOPEを立ち上げ、今度は2008年リーマンショックを目の当たりにしてこの本を出すに至っています。
特にリーマンショック後は資本主義が悪者のように扱われる場面もありますが、Johnは資本主義そのものが悪いのでなく、資本主義が短期的な強欲でゆがめられてしまったことが問題としています。足りなかったものは、つまりLove。リーマンショックはLoveを忘れたアメリカのキャピタリズムへの警鐘なのです。
一方で日本はというと、いわゆる大企業は相次いで人員削減を発表し、社員はリストラの恐怖に萎縮しているように見受けられます。市場が成長軌道にある時代はシェアを追っていればよかったのが、市場が縮小し始めるとシェアを守るために汲々とし負のスパイラルに陥っているように思えてなりません。与えることは得ること、これをどのように取り入れていくかがこれからのサバイバルの鍵となるのではないでしょうか。