Leading Change


John P. Kotter

変化を起こすためのリーダーシップについての本。先日はペンギンバージョン(http://d.hatena.ne.jp/fbrev/20120327)を紹介しましたが、こちらは真面目なビジネス本バージョンです。著者はハーバードで松下幸之助講座の教授でもあります。
変化の8つのステップは、緊急性の意識付け→仲間に広げる→ビジョンと戦略→ビジョンと戦略の周知→実行に向けサポート→短期に成果を生み出す→成果を強固なものに→企業文化の書き換えとなっています。最初の4つのステップは現状打破のための準備的なもので、ステップ5〜7では新しい方法が導入され、最後のステップ8で変化を企業文化として根付かせます。実際には、ステップ2〜4あたりで行き詰るケースが多いようです。
ハーバード1974卒業生を20年後調査した結果、不況下にもかかわらず業績をあげた秘密はやる気と生涯学習の姿勢でした。また銀行預金の利子に例えて、毎年6%で20年間能力を伸ばすべく学んだ人と1%しか努力しなかった人では321対122で2.5倍以上の差となります。成長しようと努力する人は変化への対応もでき、リーダーシップを身につけていきます。対照的に過去にしがみつく人は成長を考えないため失うものばかりに目が行き、それらを失わまいと汲々とした日々を送ることになります。この本は1996年初版ですが、今の日本によく当てはまると思います。年金、終身雇用、預金あるいは金融資産、失わないことに注意を向けているのが現状ではないでしょうか。
変化の大きな時代を生きていくには常に成長すること、成長するには生涯学び続けること。ということで、この本で学んでみてください。