LINCHPIN


Seth Godin

「人はみな天才である。その才能を仕事に発揮せよ。」これがこの本からのメッセージです。
LINCHPINとは辞書では「要」という意味ですが、単なる一社員からかけがえのない社員になれということです。
でも、よくよく考えるとこれって矛盾しているような…?会社組織が存続していくためには病気や事故で職場に穴が開いたとき、誰かが代わりを務められるような体制になっていてしかるべきですよね。
そんな疑問を持ちつつ読んでいくと、LINCHPINの本当の意味するところが見えてきます。まずは現在という時代認識。世の中が大きく変わっている中で、企業のあり方も変わってきている。従来の均一な教育、大量雇用、マニュアル化、大量生産というモデルだけでは成り立たなくなってきているということです。
では、LINCHPINの果たす役割は何かというと、混沌の中で秩序を作り、価値を創り出していくことと著者は説いています。世の中の変化にマニュアル化が追いつかないところに、ユニークな才能を発揮しながら変化をもたらしていくLINCHPINの出番があるのではないでしょうか。
日本は失われた10年が20年に、海外ではリーマンショック後景気は回復途上にあるものの、ギリシャ問題で再び不透明さが増している現在。正社員でも安心できない、こんな時代だからこそ、LINCHPINになる必要があるのです。
謝辞を含めて237ページありますが、14章に分かれているので章毎に区切って読めばいいでしょう。ちなみに私は謝辞にもざっと目を通します。著者の人間関係が垣間見えるので。
ブックカバーの裏側を見るのも忘れずに(何があるかは見てのお楽しみということで)。