The Sacred Balance(生命の聖なるバランス)


David Suzuki with Amanda McConnell
環境を取り上げた本だけあって、タイの家族経営農場にて栽培された竹を無塩素漂白して作られたパルプから出来た紙を使用するというこだわり様です。
著者はDavid Suzukiについてはこちらhttp://d.hatena.ne.jp/fbrev/20100518を参照、Amanda McConnellはトロント在住の英文学博士で”The Nature of Things”をメインに100以上のドキュメンタリーを制作しています。
1997年初版、ペーパバック版は1999年、全240ページ。
著者が1970年代にaboriginal people(先住民族)とかかわるようになり、彼らの世界観に影響を受けて書かれた本です。我々は大気、水、土、日光から成っており、豊かな暮らしにはloveとspiritが必要で、sustainable(持続可能)な暮らし/社会の基となるものがこれらの” The Sacred Balance”ということです。内容は、1章で脳/知性という視点からの人類の進化に始まり、2章は大気、3章は水、4章は土、5章は火/日と続き9章でどうやってバランスを修復するか、その例としてケニアWangari Maathaiさんの活動や、Grameen Bank、また日本人では向後元彦さんのマングローブ植林が紹介されています。結果としての環境問題を個々に論ずるのではなく、人類も自然の一部でありそのバランス(調和)という観点から現在の環境問題を考えるところがこの本の特徴だと思います。
日本語版は、「生命の聖なるバランス」というタイトルで出ています。