The E Myth Revisited(はじめの一歩を踏み出そう)


Michael E. Gerber(マイケル・E・ガーバー)
起業コンサルタントの著者が生き残りの秘訣について書いた本です。
米国でのデータでは、起業して1年後に残っているのは60%、5年後には20%しか残っていないとのこと。なぜこんなにも生存率が低いのか?その理由は、①起業家本人の要因、および②起業の際のシステム作りの2つに原因がある場合が多いようです。
①起業家本人の要因については、企業する際は起業家、マネージャー、技術者の3つのバランスが取れている必要があります。パイ作りを例にとると、パイ作りが好きだから起業した場合、どうしてもパイを作る作業そのものに関心が集中し、製造工程から販売までの管理、また店の将来計画と言ったものが置き去りにされがちです。
②のシステム作りについては、起業したからといって全て一人で出来るわけではないため、しっかりとした組織を整える必要があります。自分がいなくても店の運営が滞らないよう、小規模ビジネスだからこそ組織図に基づき責任の分担を明確にする必要があるわけです。そして、この利益を上げるシステム作りこそが、実は起業の目的なのです。パイを売る行為そのものが目的なのではなく、パイの販売を通して利益を上げるシステム作りを行い、1店、2店と店を増やしてフランチャイズを展開するということです。
実は1995年の本であるためIT以前のビジネス書ですが、起業にあたっての3つのバランスや、利益を上げるシステム作りこそが最終目的であると言う点は今も変わらず重要だと思います。まさにスモールビジネスの根幹を語っている本ではないかと思います。