Free(フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略)


Chris Anderson(クリス・アンダーソン
GoogleWikipediaFaceBookLinuxなどに代表される無料のネットビジネスの本と思いきや、20世紀のフリーランチ(飲物を頼めばランチは無料)から、さらには南太平洋の島々の物々交換にまで考察は及び、タイトルのシンプルさとは対照的に深い内容となっています。
Freeのビジネスモデルは宣伝広告の代わりに無料でサービス/物を提供し、限られた数の客層に付加価値のついたサービス/物を販売して利益を上げると言うものです。格安航空券も無料ではないですがFreeのビジネスモデルの延長線上にあると言えるでしょう。
著作権侵害で悪名高い中国の音楽業界ではCDの95%は既に海賊版、つまりバンドや歌手はCDでは収益をほとんど得ていません。海賊版CDが宣伝の役割を果たし、バンドあるいは歌手はコンサートのチケットやスポンサー、また携帯の着うた等で収入を得ているようです。ブラジルの音楽業界も似たような状況にあり、新興国の音楽業界はCD等の売上げに偏ったビジネスモデルを既に飛び越え、Freeのビジネスモデルを築いています。
Napsterで音楽は無料になり(注:敗訴後は有料化しましたが)、YouTubeで動画は無料になりました。本はi-Padで無料になるでしょうか?既に一部作家の間でそのような動きが出ていますが、気になるところです。