Good to Great


Jim Collins
スタンフォード大教授による、企業が”Good”から”Great”に変わる過程について考察した本。
初版は2001年と言う事もあり、キンドルのアマゾンやi-Padで注目を集めるアップルなどは登場せず、キンバリークラークを始めどちらかと言うと地味な企業が対象となっています。
”Good”から”Great”に変わる瞬間に何が起こっているのか?調べてみるとカリスマ的なCEOの号令の下で社運を賭けたプロジェクトが成功したと言った例は無く、5年〜10年とある程度の時間をかけてコツコツ積み重ねていった結果が”Good”から”Great”となったケースが多いようです。
卵が孵化してヒヨコが生まれる例えを用いると、外から見ると卵が割れある日突然ヒヨコが姿を現す出来事は非常に劇的なものに映りますが、殻の内部では日々受精卵が細胞分裂を重ねて各組織を形成しながらヒヨコになるという、小さな変化の連続に過ぎないということです。
フライホイールが徐々に回転を増していくように、小さな変化がやがては大きな力を持って会社を変化に導いていきます。
変化のスピードが加速度的に速くなる世の中ですが、個人的にはITベンチャーにも”Good”から”Great”の変化の過程は当てはまるように思えます。facebookはもともとfacemashから始まり、Markが改良を積み重ねていった物がインターネットに出るや否や爆発的に広まった訳で、Goodの期間が短くGreatと一緒になっているとも言えるかも知れません。
Jim CollinsがGood to GreatのITベンチャー編を出すとしたら、どのような企業が登場するのか気になるところです。