Love Works.


Joel Manby

Herschend Family Entertainment (HFE:アメリカの遊園地/テーマパーク運営会社)のCEOである著者による、リーダーのための7原則についての本。
Joel自身はハーバード大卒、GM入社後サターンの立ち上げに携わり、Saabの北米CEOを経てGreenLight.comのCEOになったところでITバブルが弾け、人生の転機を迎えます。CEO就任からわずか一週間でバブル崩壊、その後会社の存続のため家族をアトランタに残しカリフォルニアでアパートを借りて昼夜働く生活が数カ月続く中で、役員を務めていたHFEの会長からCEOにならないかとの電話が入ります。そこで学んだのが以下の7原則です。
①忍耐:リーダーたるもの、忍耐強くあれ。かっとなって人前で怒鳴り散らしてはいけない。
②優しさ:手書きのメッセージで感謝を表し、従業員および家族が気持よく過ごせるよう気を配るべし。CEOとはChief Encouragement Officerでもある。
③信頼:他人の言う事をよく聞き、信頼を置くべし。
④利他的:自分以上に他人の事を考えるべし。
⑤正直:真実に正直であれ。
⑥許容:うらまない、わだかまりを残さない。汝の敵を愛せよ。
⑦献身:自分の価値観からぶれることなく組織を引っ張っていくべし。
リーダーシップも結局のところ愛だろ、愛っ。このフレーズにピンときた方は、アラサー以上ですね、たぶん。

Leadership and Self –Deception


The Arbinger Institute

リーダーシップと自己欺瞞−自分に問題があることが分かっていない状態とでも表現しましょうか−についての本。
第1章では自己欺瞞について説明しています。自己欺瞞の状態は“being in the box”と言い換えられます。“box”に入った状態では問題の原因が見えず、この状態で解決策を探しても問題が悪化するばかりです。ハイハイを覚えた子供がベッドやいすの下に挟まって出られなくなり、脱出しようともがいてさらに奥に入ってしまう状態に例えられます。
第2章ではどのようにして“box”の中に入ってしまうのかについて。他人に対してすべきと思ったのと反対の行為をすることで“box”の中に入ってしまいます。夜中に泣いている赤ちゃんに気付いた父親が、母親もすぐに気付いて起きるだろうと気付かないふりをして寝てしまう状態に例えられます。
第3章はどうやって“box”から脱出するかについて。仕事で成果を出そうと自分の事ばかり考えていても“box”から出ることは出来ません。他人の事を考えること、つまり相手を思いやる事で初めて“box”から出ることが出来ます。
もしかしたら、あなたも“box”に入っているかも知れません。しかも自分ではその事になかなか気付くことが出来ません。そう思いながら読んでみると役に立つ本かもしれません。

The One Minute Manager


Ken Blanchard and Spencer Johnson

Gung Ho!(http://d.hatena.ne.jp/fbrev/20120503)の著者ケン ブランチャードとチーズはどこへ消えた?の著者スペンサー ジョンソンによる時間をかけずに結果を出すマネジメントについての本。
1982年初版とビジネス本のクラッシック的存在になってきましたが、まだまだ現在でも活用できる内容だと思います。その内容は以下の3つから成っています。
One Minute Goal Setting:目標を250語以内で1ページの紙に書き、必要に応じ何度も読み返す。250語以内であれば1分以内で読むことが可能。
One Minute Praising:正しいことをした都度、肩に手をあてるなどして手短にほめる。
One Minute Reprimand:時には叱責も必要ですが、どこが悪いのか具体的にし、叱責後は握手などでフォローするのも大切。
従業員が気持よく働けるようにすることで効率/業績が上がる、その通りだと思いますが、パワハラという言葉が飛び交う中、実行できている会社は一体どのくらいでしょうか?